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黒川欣映『イエ丸に乗って、さらば故国よ』を読む

 自分達の理想とする社会をつくろうと船でヤフー島に向うある「家族」を描いた脚本。家族を「 」で括ったのは、家族と云う体裁を持っているが、寄せ集めの集団だからだ。結局目指す島は見つからないが、それでも理想を捨てきれない。まだ国境がなかった、あるいは曖昧な時代なら可能かもしれないが、そういう時代、移動も不可能に近い。移動が不可能ならそういう考えが生まれることもないかもしれない。ユートピア願望はいつの時代にも、多くの人にある。事件を起こした宗教団体もその一つの形の現われかもしれない。しかし、結局は『青い鳥』になってしまうのではないか。ここではない何処かではなく、今いる此処にしか築けないのだろう。

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