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ギィ・フォワシイ『湾岸から遠く離れて』を読む

 人は何故劇場に足を運ぶのだろうか。何を求めて、客席に身を沈めるのだろうか。感動だよ、という人がいるかもしれない。では何に感動するのだろうか。

 演劇は商品ではない。こうしたい、それが、観たいものであればウケる。ただ、ウケを狙ったものはこけることが多い。ウケを狙う時、観客を見くびっているところがあるからではないか。

 テーマは、舞台から客席に流れるものではない。それは観客にもあるのだ。観客はそうだ、と、頷く。共有する。

 手あかベタベタの言葉だけれど、ハムレットは役者達に「演劇は時代に鏡をかかげるようなものだ」という。観客は舞台に私を見出すのだ。私と無縁ではないのだ。私小説はあるけれど、私戯曲、私舞台はない。演劇は時代と向き合うところでしか生まれない。

 『湾岸から遠く離れて』は1994年の『テアトロ』に掲載された作品。登場人物は4人。その4人の誰もが切ない。切なさを感じながら読んだ。

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