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土田英生『崩れた石垣、のぼる鮭たち』を読む

 土田英生は面白い。雨が降り始め、3年前に一度止んだものの、また降り始め、世界がどんどん水の中に沈んでいく状況。こんな設定、結構好きなんだな。その雨の中、中学校のクラス会が行われる。これも面白い。主役がデンと構えて、脇役とかの芝居より、かつてのクラスメート達、そういう方がぼくは好きだ。それにかつてのクラス担任やどうしても思い出せない同級生、そして料亭の5人が登場人物。その料亭の5人が問題なのだ。

 この5人は「脇役」に徹した方がいいように思う。従業員の女がいて、それに同じ年齢くらいの男がいる。しかし、その女は大将とも、その大将の父親とも肉体関係があり、男が荒れ、幹事が殴られたりする。土田は破綻することなく描いているものの、ぼくにとっては邪魔な部分だった。同級生の店で、同級生とその関係者だけで描いた方が、ぼく好みなのだな。

 芝居にいくつの物語を持ちこめばいいのか。それへの答えはないかもしれない。ただ、この土田作品では同級生達のあれこれで十分に思える。そして、ぼくならもう少し若い年齢にして書くだろうナ。そういう脚本を書いてみたくなった。

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