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鐘下辰男『続・殺人狂時代』を読む

 今と違って、インターネットのなかった大学時代。情報量が少なかった。本を通して、教授や先輩との話を通してだった。ちなみにぼくは英文科で論文を英語で書かなければならなかったが、オリベッティのタイプで打つ。炬燵の上にそれを置いて、背中の後ろに布団を丸めておき、疲れたら後ろに倒れ、起きたら打つ、論文の仕上げ前は一か月ほどそんな生活だった。ミスタイプすると、結構大変だった。ワープロ、パソコンを使える今の学生がうらやましい。

 ぼくは遅れてきた読書好きなので、ああこの本を高校時代に読んでおけば、と、思ったものは多い。ただ、漱石の『吾輩は猫である』は高校生には無理。あれは「教養」がないとダメだ。そういう中、後悔した一冊に三島由紀夫の『潮騒』がある。あれから三島に興味を持ち、幾つかの作品を読み彼の生涯とかを眺めたりした。

 前置きが長くなった。三島が割腹自殺したことを、高校生の時、授業で聞いた。国語の先生で、彼はよかった。今話すことができれば話したいと思う数少ない先生だった。三島は「盾の会」を結成して、その思想の中で死んだ。ただ、彼と彼の作品に男は感じない。

 男を描ける作家はもしかしたら鐘下辰男しかいないんじゃないかと思う。『北の阿修羅は生きているか』(だったか?)を読んだ時、その骨太を感じ、唸った記憶がある。こんど読んだのも男だらけ。加えて軍隊まがい。さらに加えて、場所は地下。男臭い。そのムンムンに快感を感じたい人にはいい。でも、毒がある。

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