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長谷川孝治『インディアン・サマー』を読む

 メアリー・ホールの20の質問だったか。名前も数字も自信がない。彼女は演出家で、役者に自分が演じる人物について好きな食べ物とか休日をどう過ごすか等を考えさせる、そういう話を聞いたことがある。演じる人物について考える一つの方法だろうと思う。

 『インディアン・サマー』はある大学の総合文化研究室の主任教授の一周忌の日、研究室前の廊下(廊下といっても、机や椅子、コピー機、キャビネット、書籍、ストーブ、コーヒーメーカー等が置かれているから、部屋みたいなものだが、通路にもなっているところがミソ)に出入りする人たちを描いている。何かが起こる訳ではない。将棋を指したり、ナメコ汁を食べたり、酒を飲んだりするだけ。主任教授の話の間の色々な雑談めいた話がほとんど、といった芝居。これが滅法面白い。搭乗員物が、書かれていないことを想像できるように書かれているからではないかと思う。登場人物は16人。そのうち外国人が6人。その6人が効果をあげている。

 メアリー・ホールの方法がどれくらい効果があるのかわからない。作家が書かなかったこと、捨てたことにこだわっても答えはないから、かえって迷路を複雑にするだけにならないのだろうか。長谷川の脚本を読んで、思い出して、そんなことを考えた。

 先月読んだ脚本の中で、『ワールド・トレード・センター』と『お隣りの脱走兵』には英語の台詞がある。『インディアン・サマー』には英語だけでなく、タイ語、タガログ語が出てくる。ゴキブリが一匹いれば、実際にはその何倍かのゴキブリがいるそうだから、外国語の台詞がある脚本はかなりあるのかもしれない。役者も大変になったもんだ。

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