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成井豊『アンフォゲッタブル』を読む

 「せりふの時代」2002年春号に掲載の作品。

 「悲劇喜劇」1998年11月号の演劇時評で小林和樹は『さよならノーチラス号』についてこう述べてる;

 「全く失笑しました。幼稚な作劇術と主題、もっと悪いことに演技が恥ずかしいくらいんです。しかし、観客は何がおかしいのかよく笑います。終始「これは一体何なのだろう?」と思いつつ、気が滅入りました。芝居というより一種のイヴェントなんでしょうね。」

 この時評を読んだので、成井作品を探したら「せりふの時代」にあったので読んだ。成井の『銀河旋律』や[広くて素敵な宇宙じゃないか』は高校演劇でもよく上演されている。ぼくはその二つは破綻していると思うが、書いた人間がいれば、それを受け止める人間がいても不思議えはない。

 「スキップ」という未来と現在を行き来する主人公の謎は謎のままで、解明されないもどかしさ。男と女の問題の甘さ。そして言葉が並べられるほどに、中身のなさだけが明確になる。

 深刻でもなく、不真面目でもない。でも成井を書かせているものは何だろうか。成井豊という人が顔のないヒトになっていった。これで舞台を成立させるには、成井は演出勝負の人なのだろうか。ワークショップは面白いという声を聞いたことがある。好きでも嫌いでもない。これで許されるのか、というところ。

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