« チェーホフ『白鳥の歌』を読む | トップページ | OBS番組を観て »

贅沢な人生

 北島の金メダルについて「ニュースステイション」の報道を観て、才能をのばすために費やされたものがいかに莫大であるかを知った。松岡修三が2年前インタビューした時に、松岡は北島は終わりだと思ったと言ったし、北島も「誰か新しいスターを探した方がいいですよ」と洩らしたそうだ。北島が金メダルを泳いだ後、タオルに顔をうずめて泣いた。彼ほどの人が、と、思ったが、松岡の話でわかった。

 五木寛之の『日本三銃士』という小説に「文藝春秋」の1月号と9月号を買う男の話がある。彼の押入れには原稿用紙が山とある。もう作家の夢を捨ててはいるが、芥川賞作品が掲載される「文春」を買って読んでしまう。

 夢は誰もが一度は持つ。そしてその夢を叶える人間は1%程度だろうか。「ほぼ叶えた」という人はぼくの近くにもいるけれど、果たして、「ほぼ」という言い方でOKしていいのだろうか。夢は、向かっていくほど、明確になるのではないか。

 北島が今まで経験した苦難は凡人のぼくの想像を超えるだろう。それから逃げることなく、挑み続け、結果を出した人生は贅沢だと思う。贅沢ってのは他の人間が真似できないものだ。

 『想い出のチェーホフ』の中に次のような台詞がある;

 「もしあなた方が現在のためだけに働いているなら、あなた方の仕事はなんの役にも立たなくなる、ただ未来だけを見つめて仕事をすべきだ。」

 眼差しを上げ、遠くを見る。そしてささやかな決意をして、ささやかな取り組みを始める。全てはそこから始まるのではないか。そして、夢に養分を与えながら生きていこうじゃないか。芝居に、がんばります!

|

« チェーホフ『白鳥の歌』を読む | トップページ | OBS番組を観て »

日記・コラム・つぶやき」カテゴリの記事

コメント

読んで気持ちのいい気分です。素敵な文章だなぁと。

勿論『素敵な文章だなぁ』ってのはただの言葉で、それ自体には意味なんかなく、
文章を書いた人の思いに意味がある。ということなんですけど。

もはや

日記・コラム・つぶやき

じゃなく

みんな・調子は・どう?

にしても伝わるかも知れない。


頑張れと言わずして頑張れろうぜを伝える言葉。

今日も勉強になった。


がんばる。


投稿: キノシタ | 2008年8月12日 (火) 07時51分

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




トラックバック


この記事へのトラックバック一覧です: 贅沢な人生:

« チェーホフ『白鳥の歌』を読む | トップページ | OBS番組を観て »