『死ぬまでにしたい10のこと』を観る
夫にも、子どもにも、母にも、恋人にも、自分に死期が迫っていることを知らせずに、死への準備をしながら、やってみたいことをしながら死を迎える。彼女があたふたしないので、乾いた眼差しで、彼女を見ることができる。不思議なことに、彼女は美しく、魅力的になっていく。
生きることは教えるのに、死ぬことを誰も教えようとしない。そういうことを言ったは誰だったか。ただ、死は誰も避けることができないし、生きるということは死に向かっていることも確かなこと。交通事故を恐れて、家に閉じこもっていても、地震で家がつぶれたり、飛行機や隕石が落ちてきたりというこも可能性がゼロとは言えない。宗教は、死から今を考える方法の一つかもしれない。ただ、ハムレットが言うように誰も死の国から帰ってきた人間はいないから、死んだらどうなるのかは誰にもわからない。そのわからないことに過度の恐れや脅えを抱えて生きても、おかしい。だから、ぼくは、通勤途中にドッカーンとぶっつかり、ぶっつけられ、死んでもいいような生き方をするしかないと考えている。しかし、いざ末期ガンの宣告をされた時、彼女のように冷静に受け止めて残りの日々を堂々と生きていけるか、自信はない。自分をこれほど考える契機になる映画も珍しい。
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