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東京演劇集団風『肝っ玉お母とその子供たち』を観る

 戦争は悲惨だ。しかs、その戦争で食いつないでいる人もいる。その立場に自分がなることにもなるかもしれない。「肝っ玉」はそういう僕たちの一人かもしれない。

 次男が死んだとき、「肝っ玉」は歌う。その歌は圧巻だけれど、彼女の悲しみに入り込むことを拒む。これがブレヒトの「異化」なのだろうかと思った。

 2年前、大分豊府高校で上演されたときより、ずいぶん良くなっていた。若手が育ってきたせいだろうか。ただ、何よりも、「肝っ玉」を演じる辻由美子は素晴らしい。上演が終わって、HRに帰る女生徒が数人「あのお母さんと話したい」と漏らした。立派だ。

 『フランクフルトに恋人がいるサックス奏者が語るパンダの物語』の二人が公演準備に帰るということで、夜のお疲れ会に参加させてもらったけれど、総勢14人の中に入るのは身体の細胞の一つ一つが躍動し続けた。一言求められたとき、「風の底力を感じる舞台」と言ったけれど、そういう舞台だった。

 毎度のことではあるけれど、風が去った後の寂しさったらない。月曜日は種子島らしい。ぼくは南の空を眺め、深いため息をつく。

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