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向田邦子『女の人差し指』を読む

 日本版「プレイボーイ」が創刊されて、創刊号だったか、2号だったか、インタビューに三浦雄一郎が出た。PBのインタビューは面白く、深く、読み応えがあった。そのインタビューの中で三浦は人間を2種類に分けていた。「星を背負っている人間とそうでない人間」。確かに同じことをしていても、流れに乗る人間と乗れない人間がいるような気もする。

 向田邦子がラッキーだったのは、最初ラジオ番組で、そしてテレビの脚本を書き始めたころ「だいこんの花」で森繁久弥といっしょに仕事をしたことではないか。そして、ある番組の打ち上げか何かで、森繁は、渡された花束を向田におくり、「あなたの時代が来ましたね」と囁いたという。

 もし生きていたら、そういう仮定はないものねだりの甘ったるさを感じて好きではない。でも、『竜馬が行く』を読んだ時、その仮定法がクルクルと頭上を旋回していた。そして、向田邦子のエッセイを続けて読みながら、また、同じフレーズが旋回している。せっかく招き寄せた「時代」を生きていれば、どえりゃあ名作が誕生していたかもしれないのに、と、思う。

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