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倉本聰『ひかりの中の海』を読む

 灯台マンが、妻の癌によって夫であることに目覚める物語。簡単にいえばそんな話しだが、『君は海を見たか』の父と息子を思い出した。屈折した男がその歪みをなくし、相手と自分を直視するためには相手の死が必要なのか。

 さて、めでたく、これで倉本聰コレクション全30巻終了。最終巻は『昨日、悲別で』だが、5冊ずつガバッと取ってるうちに、順番に並んでいないのに気付かなかったのだ。

 宮本輝全集全巻制覇を目的に挑戦していた時、ふと目に入ったものの、宮本輝をぶっ飛ばす面白さだった。一行のト書きにも、倉本のこだわりがあった。道の電信柱を歩きながら触っていて、自転車が来たので、よけて一本触れなかったら、わざわざ戻って触ってなかった一本に触るということを、3つくらいの脚本で登場人物にさせている。そういうのがいくつかある。ついつい出てしまうのかもしれない。ダブる部分に作者の何かが見えてくるような気もする。

 津久見高校の「演劇・脚本」のコーナーの本は少ない。7割は倉本作品。後は『北の国から』があるが、「遺言」までを収めたそれは1000ページをこえる。重そうだ。敷地外に煙草を吸いにいく時にも、トイレに行く時も歩きながら読むので、あまりに厚い本はイヤーな感じを与えるかもしれないナ、とか、考えながら、今しばらくは30巻の余韻に浸っていいんじゃないかと結論した。

 今年生誕100年の太宰に挑もうかと、考えていたので、日本文学のコーナーに行き手を伸ばしかけたら、その下に向田邦子の全集があった。これも厚い。以前、ミーケさんからのコメントにあった向田の倉本作品について書いた言葉に出会えるかもしれない、と、思い、その第1巻を借りてしまった。実は今まで読んだことがないのだ。

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コメント

このひと月半程、先生の日記を楽しみに楽しみに読ませて戴きました。

本当に有難うございます。

私は、倉本聰は、シナリオを書く『職人』だと思っています。

演劇も、素晴らしいので、是非 機会がございましたら、御覧下さい。

因みに、来年の2月か3月頃、九州での旅公演が予定されています。

投稿: み~け | 2009年4月10日 (金) 20時59分

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