« 土田英生『初夜と蓮根』を読む | トップページ | 向田邦子『夜中の薔薇』を読む »

向田邦子『霊長類ヒト科動物図鑑』を読む

 趣味は何ですか、と、最近訊かれることはない。そういう場所にいかなくなったからだろうし、また、他人から関心を持たれることもなくなったからだろう。もし、訊かれたら、草取りとこたえるかもしれんな、草取りをしながら考えた。

 昨年11年目の家の外壁を塗り替え、ついでにウッドデッキを広くし、玄関へのアプローチ部分を整えた。トラック数台分の小石を家の周囲に新たに敷いたのだけれど、草はその隙間からニョキニョキと出てくる。今朝も5時過ぎから30分ほど取った。数えてはいないけれど、500本くらい。休日はその5倍くらいは取る。取っても取っても、顔を出す。最近は気にしなければわからないくらいになったけれど、ここまで熟練してくると1センチ以下のものだって容赦しなくなった。そういうことに家人は気づいている気配はない。朝の草取りの時はまだ寝ているから当たり前だ。もし、ぼくがある日突然召され、バタバタの数か月後、家の周囲を埋め尽くしている緑の侵食者に、ぼくのコツコツの草取りに気づくだろうか。草よりも、毎週のゴミ出しの時、不便を感じるかもしれない。いや、それよりも使っても使っても減らないトイレットペーパーがなくなった時の方が不便の度合いは大きいかも。便の時の不便。いずれにしても、所詮はその程度かもしれないナ。そんなことを考えながら草を抜く。結構快適な時間でもある。

 これは、向田邦子のエッセイを読み始めてからのことのような気がする。ありふれた日常にちょっと目を凝らすようになった。ちょっとした日常がとても面白くなった。

|

« 土田英生『初夜と蓮根』を読む | トップページ | 向田邦子『夜中の薔薇』を読む »

書籍・雑誌」カテゴリの記事

コメント

『便の時の不便』…これはきっと、イヤ絶対、泣きたくなります!

ユルかったりしたら…もう大変!

投稿: みーけ | 2009年4月29日 (水) 00時27分

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




トラックバック


この記事へのトラックバック一覧です: 向田邦子『霊長類ヒト科動物図鑑』を読む:

« 土田英生『初夜と蓮根』を読む | トップページ | 向田邦子『夜中の薔薇』を読む »