村上春樹『1Q84』を読む
ベストセラーになているものは読まない。読んだ後にベストセラーになると、早く読んでてよかったと思う。図書館担当になっていなければ、読むことはなかった。ベストセラーを図書館に置いてないのもどうかと思うし、それを全く知らないというのもまずいかもしれないと思い、届けられて1番手の読者になった。
面白かった。村上作品は『ノルウエイの森』以来。その後も何冊か買ったけど、読んでいない。ぼくみたいな人間が言うことではないが、村上の成長は著しい。該博な知識を駆使して、先へ先へとページをめくらせる物語を仕上げている。
6月23日の朝日新聞に、3人の人が「『1Q89』を読み解く」と題して、短い文章を寄せている。この人たち、こんな読み方をして面白いのだろうか、と、不思議に思う。だから面白い作品を書けないんじゃないのか。
トイレに村上訳の『さようなら、愛しいひと』を置いて、1ページずつ読んでいる。チャンドラーの比喩には感心する。村上の比喩も面白いけれど、まだチャンドラーを越えていないように思う。
『ノルウエイの森』では最後に大泣きした。今回は泣かなかった。ただ、無性に切ないエピソードがちりばめられている。ぼくの小説の面白さは、登場人物と感覚部分で触れ合うことができるかどうか。面白さは理屈じゃない。
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