« 井上ひさし『兄おとうと』を読む | トップページ | 吉本隆明『現代日本の詩歌』を読む »

湊かなえ『告白』を読む

 先週一週間ノンアルコールで過ごした。夕方ビールを飲みたくなる、それはアルコール依存症の前兆だとか、そんな文章を昔読んだことがある。とにかく、一日アルコールを抜こうと考え、もう一日が続いたのだが、どうやら依存症ではないかもしれない、と、自覚できたことは収穫だ。

 アルコールを抜いて、変わったのは眠りの質。どういえばいいのかわからないが、眠りが深くなったように思う。そして、夢が生き生きとしてきた。それが面白くて、一週間続いたのではないかと思う。金曜日、ビール、チュウハイ、焼酎を飲んだ。おいしくないと感じたのは以外だった。味覚も変わるのか。もちろん、早寝、早起きなので、煙草の量は半分になり、酒を遠ざける効果は結構プラスアルファが多かった。

 今年の本屋大賞作品『告白』はネットリしている。書いた人間がいれば、それを面白いと思う人がいても不思議ではない。でも、大賞を取るほど多くの「本屋」が投票したのは少々意外というか、不思議というか。この小説は虫の目で書いた作品だ。おそらく誰もが見ない、気付かない部分に鋭く入り込んでいる。ぼくは好きではないが、最後まで読ませてしまう力量がある。ラストは、虫の目が、ポンと弾ける。ぼくだったら、投票はしないだろうけれど、よく書けていると思う。好き嫌いだけの問題になる小説。

 休日が過ぎ去るのは実に早く、窓の外には黄昏が忍び寄る。この一杯を最後に、またしばらくノンアルコール。さて、どんな夢が訪れることやら。

|

« 井上ひさし『兄おとうと』を読む | トップページ | 吉本隆明『現代日本の詩歌』を読む »

書籍・雑誌」カテゴリの記事

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




トラックバック


この記事へのトラックバック一覧です: 湊かなえ『告白』を読む:

« 井上ひさし『兄おとうと』を読む | トップページ | 吉本隆明『現代日本の詩歌』を読む »