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村上春樹訳『さよなら、愛しい人』を読む

 3羽の雀がやってくる。犬の食器に残ったものを食べにくる。この3羽が実に仲がよく、自分が咥えたものをほかの雀に口移しであげる。その光景はほほえましく、ふとわが生活を振り返り、教えられるような気がする。だからという訳ではないが、昼から下の娘と友達をプールに乗せていった。自動販売機の前のテーブルで2時間半、本を読み、脚本の手直しをした。

 『ロング・グッドバイ』に比べて、比喩が多いと感じた。1ページに5つはあるんじゃないか。まるで、比喩博覧会みたいだが、ぼくは物語よりも、比喩を楽しんだ。

 85セントの夕食は、捨てられた郵便袋みたいな味がした。

 新しい郵便袋の味も知らないけれど、捨てられたものになると、・・・。

 湿った空気は灰になった愛に劣らず冷ややかだった。

 時に、時の彼方の愛もかすかな温もりを感じ、ほのぼのと思い出を撫でることもある。「灰になった愛」と言われてもピンとこないんだけれど、不思議なことに「冷ややかさ」が実感できる。比喩の力、か?

 レイモンド・チャンドラーは面白い。そして彼が創り出したフィリップ・マーローも魅力的だ。その二人はまるで双子ではないかと思わせる。ホームズとワトソンの関係と言ってもいい。

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