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向田邦子『寺内貫太郎一家』を読む

 昔、何回か観た。小林亜星が西城秀樹をぶっとばすシーンとか悠木千帆(現在、樹木樹林)の「ジュリイ~」とかの断片の記憶しかなかった。読みはじめて、加藤治子、浅田美代子、梶芽衣子、伴淳三郎、左とん平、篠ひろ子、由利徹などの顔がよみがえってきた。そして、ドタバタのドラマだったという思いが変わった。

 テレビはこういうドラマをつくるべきだ。

 老人を「きったねえ」と言ったり、老人も妻も子どもの殴る父親が貫太郎だ。西城秀樹が亜星からぶっ飛ばされるシーンは「約束」みたいなところもあり、壮絶な家族だった。でも、「嫌いな人間は殴らないよ」という貫太郎の母親の台詞があるが、家族が家族としてつながっていることが濃厚になっていく。だから、長女の結婚で、泣いてしまう。

 こんな時代に誰かを批判して何が生まれるか。

 あれだけ長く続いたものが何故一冊? 半分近くはあらすじでごまかしているのだ。別のライターが書いた回もあるようだ。

 向田邦子はいい。3月付近に倉本總を読んだ。あれも面白かった。でも、断然向田邦子。人間へのあたたかい眼差しが台詞の端々にある。いい台詞も沢山ある。

 もし生きていれば、うすさいオバサンになっていたかもしれない。でも、テレビドラマな確実に面白くなっている。ただ「驚き」だけのアホみたいな勘違いバカドラマは少なくなっているかもしれない。

 人間が呼吸しているドラマを!

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