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不可能な夢

 最近、1000円ちょっとのLEDライトを買って、それで夜明け前に犬と歩く。時々二度寝して6時前に起きると、時間的にできないので、そういう時は日本語で謝る。犬語ができればいいナと思うが、不可能なことなので、誠意をこめるしかない。

 ここ数日は月明かりで歩けるけれど、上下とも黒なので、車の運転者に信号を送るために、ライトを点けて歩く。田んぼの間の100メートルちょっとの草道は解き放つ。草の中を走り回る姿をみながら、彼女(うちの犬は女性)がうちに来たばかりのことを思い出した。家ができて、上の子が年少で、娘たちの母親」をまだ「妻」と言っていた頃。

 もし希望する年齢に戻れるなら、とは、全く意味のないことかもしれない。確かにその通りだが、自分を振り返るという点では、それなりの意味があるかもしれない。

 ぼくは以前、大学一年生と考えていた。受験勉強はもうイヤだという、ただそれだけの理由。大学時代がすこぶる楽しかったこともある。今の意識のまま大学生に戻れるなら、やること、やらなくていいことがはっきりしているから、ぼくは卒業論文にはシェイクスピアを選んでいなかっただろうし、何よりもっと英語を勉強していた、と、思う。

 たぶん、人生をやり直したいという発想が悪いのだ。そう考えて、我が家に犬がやって来た頃でいいか、と、考えた。娘たちや「妻」もぼくも、今のままだろうが、犬とは今よりもっと面白い関係をつくることができたかもしれないと思う。

 明朝はライトの要らない時間に長距離を歩ける。

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