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三浦しをん『神去なあなあ日常』を読む

 面白い。夢も何もないまま高校を卒業した主人公が、「ここに行け」と親から送り込まれたのが、神去という名前の山奥。そこで林業に携わることになる。

 SWING-BYの代表の鶴原は林業をしている。昨年、林業小説の広告を目にしたぼくは彼にそういう本が出たらしいと伝えた。山が舞台の小説、映画、芝居はあるけれど、林業を描いたものは珍しい。彼は、ここが鶴原のいいところだけれど、すぐにゲットして、ぼくに貸してくれた。でも、ずっと読んでいなかった。活字に殆ど触れることがなかった時期だった。

 面白い小説、というより大好きな小説。そこに描かれた世界と人々の何と魅力的なことか。生活とか生きるとか、それは今の日本人の大半が過剰すぎるくらい浴びている「文化」の中で「私」とともに見失っているのかもしれない。ところが、横浜のノホホン男が、山奥でしっかり生きていくのだ。

 三浦しをんという名前は目にしたことがあるが、読むのははじめて。言葉が弾んでいて、その弾みが次を読ませる。クライマックスの書き方に物足りなさを感じるけれど、その時にはすでに自分で思い描くだけの力量がついている。

 ぼくの部屋の窓から見えるのは、山。それをいつも眺めながら、放置された山はよくないんじゃないか、と思いながら、腰が悪いから、と、次のステップを考えない。山のことをもっと考えるようになった。 

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