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「村上春樹ロングインタビュー」を読む

 うちの事務長はかなりの読書家。話すことはあまりない。職員室と事務室をつなぐ階段ですれ違いざまに二言、三言というのがかすかにある程度。少ないからおぼえているけれど、ここ1年はほぼ村上春樹。『1Q84』。先日、彼が「もう読みましたか」といったのが、雑誌『考える人』の村上春樹へのインタビュー。職員室に帰ってすぐに、二階堂書店に電話して注文した。2日で届いた。

 『1Q84』のBOOK3が出てしばらくして、階段で「続編はありますかね」と事務長が言った。ぼくはないだろうと答えた。多くの謎は残っているけれど、もういいと思っていたからだ。インタビューの中では、BOOK4、BOOK5という言葉も出てきた。ただ、村上は長編には1年間は着手しないと言っている。

 箱根のホテルに籠っての3日間にわたるインタビューは読みごたえがある。少年時代から、ジャズ喫茶の頃、小説を書き始めた頃、『ノルウェーの森』から『1Q84』、イスラエルでのスピーチ、そういうものに加え、映画、着るもの、料理等、彼は率直に語っている。小説家の生き方が浮かび上がってくる。

 丸谷才一は『文学のレッスン』で、日本の作家で私小説の流れでは大江健三郎、プロレタリア文学は井上ひさし、文学では村上春樹といっている。村上自身、お手本のない世界に向かっていると述べている。

 読み終えて、ぼくが考えたのは、ぼくが生きていく上での核。どうもそういうものがないままのウダウダのような気がしている。村上は1日に10枚しか書かないらしい。もっと書ける時も10枚。書けない時も10枚までは書く。そして早寝早起きとマラソン。村上春樹はブレない。

 創作者、表現者にも効き目があるだろうけれど、ぼくはその他大勢の一人として、たくさんのことを考える機会になっている。ちょっと生活を変えてみよう。

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