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福原義春『私は変わった 変わるように努力したのだ』を読む

 資生堂名誉会長が書いたり、話したりした中から厳選した言葉を収録した一冊。主に経営者としての心構え、そういうものが多い。しかし、「経営者」を「首相」「総裁」「校長」等のリーダー置き換えても通用する。

 昔、ある会社経営者と酒の席で同席したことがある。彼はぼくに「靴下は自分ではきますか」と訊いた。もちろん、と、即座にこたえた。すると彼は「私は自分ではきません。足を出すと、女房がはかせてくれます」と言ってから、あれこれ話し、「あなたもそうならなくては」と結んだ。彼は自分の娘にもそう教育していると威張った。自分で靴下もはけない男になってたまるものかと思ったが、音声化しなかった。

 ぼくは今まで20人ほどの校長を見てきた。ある校長の時は、全校朝礼が楽しみだった。話が面白いのだ。入学式の式辞で、ブルース・スプリングスティーンの歌詞を引用したのも心地よい驚きだった。ただ、彼を尊敬できたかというと、尊敬まではいかないかも、と、思う。となると、尊敬できる校長は皆無だったとなる。現在の校長はよく動いている。今までの校長の中で一番よく動いている。前の校長が動かなかったから、余計にそう感じる。

 働いている、を消して、動いていると書き変えた。人が動いて、働くとなる。校長という立場で動いても、働くということにはならない。ただ、彼は懸命に動いていると思う。

 学校をよくするには尊敬できる管理職を置くことだ。生徒からも、職員からも尊敬される校長。県は管理職人事をきちんと誰にでも説明できるのか。

 福原さんの言葉を読んで、それをあれこれ考えると、学校の人事への批判になっているように思えた。同時に、学校がよくなる可能性も確信できた。  

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