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井上ひさし『一週間』を読む

 レーニンの手紙を巡る攻防を通して、戦争と人間の愚かさを描いている。ひさし流のこだわりと仕掛けに笑いをまぶして、グイグイと引っ張られた。

 勝新太郎の『兵隊やくざ』を少年期に観たことがある。何かにつけて上官の鉄拳制裁やらがいやになった。後年、アメリカの戦争映画やテレビで『コンバット』を観ると、上官に対しても意見を言い、鉄拳制裁はなかった。日本の軍隊は一時代前のもののように思えた。

 司馬遼太郎の『坂の上の雲』を読むと、日露戦争で日本は勝ったのではなく、露西亜が自分で負けたのだということがよくわかる。そして、司馬は「勝った」がために改めることなく、旧態のまま太平洋戦争へと突入したと書いている。愚かだった。愚かでない戦争はないけれど、とりわけ愚かだったと思う。

 『一週間』の舞台はソ連の捕虜収容所。最初にその場所の説明があるが、全体から部分までを克明に描くので時間がかかる。レーニンの手紙が出てきて物語は動き出すのだが、500ページちょっとの半ばくらいからじゃなかったか。そこからはもう本を離せなくなる。

 芝居もそうだけれど、小説も、初期の方が好きだな。

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