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中央演劇祭に行く

 そこに行くといつも懐かしい人に会える。OB,OGもチラホラいて、声をかけてくれるのはすごく嬉しい。嬉しいけれど、学校名と名前を言われてもわからないから、上演した作品名を訊く。それでああ、あの頃の、と、見当がつく。それでもピンとこない時は顧問名を訊く。今年の中央演劇祭は今日の午後の5本しか観ることができないが、その5本について簡単に感想を述べたい。

東明高校『アナ』(生徒創作) 暗転の多い舞台だった。暗転が悪いとは言わない。しかし、その効果を考える必要があると思う。流れを説明するための場面が多く、そのたびに暗転は効果がないどころか、逆効果だった。そして、現在を上手空間、回想を下手舞台に区切って使う方法もどうか。豊府の舞台がある意味お手本になるかもしれない。

安心院高校『別れは会うのお仕舞い』(顧問創作) ワグナーの「結婚行進曲」が流れ、その音がくずれて、離婚式が始まる。実は同じ手法でやはり離婚式で始まる芝居を一時期考えていたので、笑ってしまった。同じことを考えている人間はいるものだが、まさか、友人が・・・。もうあの芝居は捨てなくては。ぼくの方が面白く書けてるとしても、先にやられてしまったら、盗作になってしまう。それにしても、大学4年生が離婚するという設定の芝居は、設定自体に無理があるように思えた。高校生の親の世代にして、徹底的に笑いのめすような設定なら、まだ良かったかもしれない。そんなことを考えた。

大分東高校『父さんといっしょの地中海』(赤間幸人) 3人の芝居だが、大会直前に2人が抜け、急遽2人に脚本を読む形で、1人は演技をするという舞台になったそうだ。父親がアルツハイマーになっていく内容の芝居だったので、そういう悲惨な部分をみせずに、台詞だけで、こちらが想像するので、それはそれで良かったような気もする。

大分豊府高校『それでもだれかとつながっている』(顧問創作) 面白かった。妊婦役の生徒が実によく、爽快だった。隣り合う2部屋での芝居だが、ドアは二つあるものの、中はつながっている装置設定で、それが面白い効果をあげていた。脚本もよく書けてある。昨年も九州大会の県代表になった学校だが、昨年の舞台より数倍いい。いい脚本に全員がきちんとこなしていた。

日田三隈高校『ダブル・ベース』(ムラオタカノブ) 監督が亡くなり、廃部の危機にあるソフトボール部の部室前での芝居。その亡くなった監督と別れた娘が底流にあるのだが、その辺がちょっと強引な感じがした。その設定自体は、書きようによっては、客席を大きく揺さぶるものがあるだけに惜しい気がした。たとえば、硬式野球部員へメールアドレスを渡してくれと球拾いに託すシーンがあるが、父親のいた場所にいたいという娘への焦点をボカシタのではないか。OG役の生徒はよかったけれど、解決役としか思えなくて、そういう役もない方がいい。もう一度書き直して再挑戦したらどうか。

 高校生の舞台は気持ちがいい。今日は観客の反応もマナーもよかった。こういう観客こそ、舞台を支えてくれる。明日の二つの舞台も観たいのだが・・・。

 

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