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トム・ストッパード『ローゼンクランツとギルデンスターンは死んだ』を読む

 シェイクスピアの作品にはモトネタがあるものが多い。そのネタをシェイクスピアがどう料理するか、もしかしたら、当時の観客は「料理」を楽しみにしていたのかもしれない。たとえば、蜷川幸雄がシェイクスピア作品をどう料理するかが楽しみで劇場に行くように。

 ヤン・コットによると『ハムレット』の研究論文の目録だけで、ワルシャワの電話帳より厚いと書いた。ワルシャワの電話帳の厚さは知らない。でも、毎年増え続けるだろうから(英文学科なのに会話の授業が多い、と、後輩の大学教師は電話でボヤいていた。英文学を勉強しようという高校生はいるのだろうか?)、かなり厚くなっているだろう。

 それくらい論文が多いのは様々な謎があるからだ。たとえば、何故ハムレットはすぐに父親の復讐をしないのか。それだけでも汗牛充棟の論文。ちょっとだけしか出ないフォーティンブラスもあれこれ言われるようになった(横内謙介の『フォ-ティンブラス』は面白かったが、ビデオを喪失して久しい)。登場人物の中で議論の対象にならなかったのがローゼンクランツとギルデンスターン。

 トム・ストッパードはその二人を主人公に芝居を書いた。最初のシーンの、コインの裏表を当てるゲームは秀逸だ。観客はシェイクスピア作品で行く末を知っているんだから。

 トム・ストッパードは演劇史に残る作家。でも、シェイクスピアの呪縛から逃れられていないように思う。難しいけれど。

 

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