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石田衣良『再生』を読む

 街の風景のロングからカメラが寄って一人に焦点を当てる、あるいは一人からカメラが引いて、その人が街の中に埋没してしまう。映画やテレビドラマでよく見る手法。つまり、たまたまその人のドラマではあるけれど、他の人にもそれぞれドラマがあることを示している。
 石田の『再生』はそのそれぞれのドラマを描いている。「目の前で起きていることに目を凝らし、それをきちんと書き留めていく。それは作家の数ある仕事のなかでも、とても大切で順位の高い要件の一つです」と石田はあとがきで書いている。作家というのは漠然としすぎている。もし作家のかわりに小説家という言葉にすれば、石田の発言は出てこないのではないかと思う。でも、この中に収められた12の短編に出てくる人は、つい「がんばれよ」とつぶやいてしまうような人たちだ。

 毎日ぼくたちは多くの人とすれ違う。その一人一人が様々なドラマを持っている。東北の被災した人たちに様々な形で支援するように、周囲の人たちにも同じように接する姿勢があったほうがいいのかもしれない。

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