西加奈子『ふくわらい』を読む
24日、まだ暗い中、車を走らせた。何処という当てはなく、とりあえず津久見をぬけようと思った。佐伯との境のトンネルを抜けると雪。おいおい。で、高速に乗って北上を図ると、別府から先は通行止め。ところが下り始めた横断道路が雪が積もっていて、スリップしぞうで、恐る恐るの徐行。ようやっと10号線に下り、北上。取りあえず、真木大堂を目指す。昔、昔好きだった人と訪ねたことを思い出し、様々な思い出をなぞりながら車を走らせた。真木大堂から富貴寺。そこから両子寺を目指す途中、ダムで写真を撮っていたらパトカーが来て、おもわりさんと話していたら、そこから先は凍結してるので引き返したほうがよいとのこと、素直に従った。山香温泉で温まって、南下。別府を過ぎた辺りで、隣の車線を走る車を運転しているのが、彼女だった。単なる勘違いと思い込みかもしれないが、昔の人とはいえ、見間違うはずがない。ここはひとつ、クリスマスの奇跡として、彼女だったということにしておきたい。
その奇跡で、脳細胞が並び替えられたような、喪失感と幸福感が融合して正体不明の感情がぼくを覆っているような、・・・。以来、反芻している。
『ふくわらい』には大笑いした。西加奈子は初めて。読みながら、これぞ小説って気がした。小説以外には表現できない。細部までの遊びとこだわり。注目したい才能だ。
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投稿: 藍色 | 2013年9月20日 (金) 16時57分