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老い越し、老い抜かれ

 年末にBSTBSで開高健が愛したモンゴルを俳優小林薫が訪れる番組があった。生前の開高がふんだんに出てきて、ソノラスな雄叫びをあげたり、イトウと格闘したり、つぶやいたり。
 開高が亡くなってもう25年が過ぎた。東京で、ボロアパートに帰る坂の途中の古本屋で『輝ける闇』を買って、隣の酒屋で買った薩摩白波を飲みながら読んだのが、開高との出会いだった。以来、目に触れれば読んできた。ぼくの精神の主要成分の一つになっていることは確か。番組で知って驚いたのは、彼は58歳で亡くなったのだ。マエストロのように思えたのに、若かったんだ。そして、ぼくは彼の年齢を越えてしまった。

 最近犬が朝の散歩に行かない。外には出るのだが、行くよと声をかけても動かない。それで、頭にライトをつけて一人で大股歩きをしている。
 そこでネットで「犬の年齢」を調べたら。彼女は今70歳くらいになる。犬の一年は人間の4年になるとかうろ覚えで、「あんたももうおばさんやで」とか話しかけていたのだが、とんでもない。とっくにぼくを老い抜いていたのだ。これじゃあ冬のまだ暗くて寒い散歩は気がすすまないだろう。休みの日の午後だと誘えば喜んで行っているように見える。遠くないいつか介護が必要になるかもしれない。その点に関しては同類が、その時にはどうすればいいかを考え始める。

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