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『ハックルベリィ・フィンの冒険』を読む

 授業の予習をしている時、fat があり、そういえばガートルードがハムレットのことを「あの子は fat だから」という台詞があり、ハムレットが太っているのはおかしい、と、「ハムレットは痩せているほうがいい」とする研究者。彼か彼らははやっと「汗っかき」の意味を見出し欣喜雀躍した、とか。そいうのを思い出し、ネットで「文芸論争」で検索したら、東北大学大学院生の『ハックルベリィ・フィンの冒険』に関する論文があったので、読んでみた。内容は、マーク・トウエインの傑作としてアメリカ人の必読図書のトップだった作品が図書館から追放されたことへの考察だった。
 『ハックルベリィ・フィンの冒険』は、今は亡き篠田一士が『世界の10大小説』(だったか・・・)に数えた傑作。それがアメリカの図書館で追放された理由は、「黒人」の扱い方にあったようだ。ぼくは、論文を閉じ、学校の図書室に向かい、確か今年度初めてだナとか思いながら、探して読んだ。

 黒人が奴隷として売買されていた時代が舞台。だから当時のアメリカを知ることができる(知ったところで、そこでオシマイなんだけど)し、時間の流れが遅い。ただ、遅いのは「それから一か月」とか書いているから、もうそんなに経ったのかと思うだけで、物語は効果的なスピードで進められる。そして面白い。そして、ハックのその時々の考えと判断はほぼ正しい。現代にも十分通じる。
 ぼくが読んだのは小島信夫の訳。奥付に訳者の紹介もなかったけれど、たぶん小説家。それで、読みやすかったのだろう。
 ハックの精神はアメリカに流れているように思う。というより、今世界はその方向に向かっている。マーク・トウェインの偉大さは、それを感じ取っていたことだろう。図書館が追放するのには、納得がいかない。

 篠田の本を買いながら『ハック』は読んでいない。明日、陋屋からそれを探しだし、読み、それから、きっかけの論文の後半を読まなければ。うん。

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