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理想の本屋

 本屋の店員がどれくらい本を読んでいるかわからない。「本屋大賞」があるから、かなり熱烈な読書家が本屋で働いていることは明らかだ。よく読書好きだから図書館の司書に、という話を聞く。しかし本屋の方が新刊が入るスピードも量も勝っているだろうから、本屋の方を選ぶ人もいるだろう。

 佐伯で一番大きい書店は、もちろん昔からあった本屋(書店と本屋の違いを今は考える暇がないが、本屋の方がぼくは好きだ)は量の多さが違うだけで、ぼくのような老人にはむしろ小さい本屋の方が好きなのだが、小さい本屋がもう少しクセのある営業をしてくれたらと思う。

 たとえば、そこの主人がミステリーが好きなら、ミステリーの傑作が必ず書棚にあるようにする。それだけで、そのクセがある部分を人を集めることになる。その店にぼくが行って「リンカーン・ライムシリーズの新作は置いてませんか」と言うと「ああ、あれは人が死にすぎるので、私は好きではありません。試に、このダールを読んでみませんか」と言われたら、ぼくは買って読んでみるだろう(ダールはぼくが好きな作家。面白い。是非!)。
 あるいはミステリーファンクラブを作り、それぞれの人が薦めるベスト5を並べるのもいいかもしれない。「読んでみるか」とつぶやくだろう。

 それと、買った本はとりあえず開いてみたいと思う。そのスペースがあること。手っ取り早く言えば、本屋の中に喫茶コーナーが欲しい。そこは禁煙にしない。できればビール、ウイスキーが飲める。

 本屋を開くのにどれくらいのお金が要るのかはわからない。もしそれが満たされれば、ぼくは本屋を始めるかもしれない。雑誌やコミックは置かない。クセのある読書家達がウイスキーを飲んで侃々諤々をやっていても、書棚の前の人には聞こえないようにした読書スペース。そして書棚にはクセのある本ばかり。儲けることはできないだろうが、仕掛ける本屋があってもいいと思う。広く浅くよりは、狭く深くの方がいい。最近の本屋にはその「深さ」が欠落しているのだ。

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