« 『夏の夜の夢』を読む | トップページ | 『夜伽の部屋』を再開する »

ネガを読み撮る

 読み撮るというのはおかしいかもしれない。ただ、スキャンするというと、カタカナ言葉が多すぎる気がしてイヤなんです。

 一回、とにかく、読み込んでみた。ただ、中には汚れているものも少なくなく、それで、フィルムの汚れ落としについて調べた。洗浄剤やエタノールやらの記事を読んだが、水洗いが無難と思い、従った。靴下干しを買ってきて、水で洗い、それにぶら下げて、重しとして下に洗濯バサミを挟む。乾いたものを細かい繊維質の布で丁寧にぬぐう。スキャナー(読み撮り機というべきか?)に丁寧に読み取る機能があることを知り、前の倍以上の時間をかけて読み撮る。
見た目に、違いはわからない。自己満足か。

 その過程で、過去の人たちと再会できた。
 別れた女性に出くわした時は、何回も見直した。思わず、仮定法過去完了と仮定法過去の組み合わせで考えてしまう。そうなってくると、あの女性のネガはないか、と、狂おしいほどに集中して一日を過ごす。廃屋になりかけている実家のあちこちを、親父の倉庫まで探すけれど、見つからない。思い出は、いつも、どこかが欠けているものだ。

 ところが、夢に出てくる。写真の彼女はにこやかだから、夢の彼女もにこやか。いいなあ。でも、彼女が隣の誰かに言う「バカなんですよね」。

 そう。そうなんだ。消えろ、消えろ、束の間の幻。

|

« 『夏の夜の夢』を読む | トップページ | 『夜伽の部屋』を再開する »

日記・コラム・つぶやき」カテゴリの記事

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




トラックバック


この記事へのトラックバック一覧です: ネガを読み撮る:

« 『夏の夜の夢』を読む | トップページ | 『夜伽の部屋』を再開する »