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杉浦久幸『ほいとうの妻~山頭火たれ山頭火~』を読む

 種田山頭火については句を読んだり、関連書籍を読んだり、テレビでの特集を観たことがある。幾つかの句はいいなァと思った。しかし、人物への興味が増すことはなかった。

 杉浦の作品は死んだ山頭火と妻サキノの会話で進められる。サキノの言葉のほとんどは山頭火を責めるものだ。生活の厳しさ尋常ではない生活の中で生活を支えたサキノの言葉に山頭火は言い返すことができない。ただ、紙に書かれた山頭火が、だからこそ、立体的になって、行乞しながら歩く山頭火の姿が見えてきたような気がする。

 責める言葉、言い訳する言葉から悲惨が浮かび上がる。こういう芝居をしようとも、観ようとも思わない。しかし、こういう作品に懸命に取り組む作家と俳優がいることはいいと思う。

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